こんにちは。UnityEvangelistのいっせい(@issey_tsumiki)です。
2019年初旬に始動し、全てを惜しみなく公開されたUnityJapanOfficeProject。
2019年も終わりということで、現在出ているすべての情報を集約したものを作ってみました。
今知ったという人も、これを読み進めれば大枠理解できるかなと。

 

リリースまでの軌跡

前段

知らない人もいるかと思うので、このProjectには前段となるUnity London Officeというものがあります。
これは、Unityに新しく機能追加されたHDRP(High Definition Render Pipeline)を活用した建築ビジュアライゼーションのデモとして発表されました。
※HDRP(High Definition Render Pipeline)はPreviewバージョンです。まだ正式リリースはされていません。

Unityで高品質なビジュアライゼーションが出来ないと思っていた方も少なくないと思います。
Unity London Officeが公開されたとき、このクオリティのコンテンツを作りたいと肌で感じるほど衝撃が走りました。

作りたい! → どう作る? → モデルはどうなって… テクスチャは… どんな設定で…
各々感じることは一緒で、色んな人から声を聞きました。
特に多かったのは、このUnityProjectを直で触ってみたいというもの。
公開できないクローズドなProjectだったんです…。
あ、私は見れていたんですけれども(笑)

キックオフ

通年を通してですが、私の強い思いがあります。

全てを模倣して作ることに意味はない!

今からスタートするProjectを単純に綺麗で凄い!と言われるだけでは物足りなさを感じました。
どうせなら、新しい技術、皆が欲しい機能、誰も怖くて踏み込めない全公開、全部組み込んでやろう。
この全ての思いをを叶えるべく、キックオフしました。

そして、2019年1月、年が明けるとともにUnity Japan Office Projectは始まることとなります。

製作過程

製作過程は大まかにこのような感じです。
①現地撮影&資料整理(図面類)
②3Dモデリング(小物も含めて)
③テクスチャ/マテリアル
④ライティング
⑤インタラクション
⑥デバッグ

作業がオーバーラップすることろもあります。
仕様決めなどは予めすることが一般的ですが、今回は新たな技術を活用してという点を考慮しています。
公開のタイミングは予め決まっていましたので、それに合わせて出来るところまで突き詰める方式を採用しました。

点群


UnityJapanは2018/9 に銀座SIXへ移転しました。
ということで、オフィス自体も新しく内装もとてもきれいな状態でした。
図面や家具一覧なども揃っていましたが、厄介なやつがオフィスに潜んでいました。
そう…。剥き出しのダクトです!

このダクトは図面が無く、再現するのに写真からモデリングを行わなければなりません。
そこで、点群撮影の登場です。
点群からモデル作る?あたりにモデリングできればめっちゃ効率上がりそうじゃない?とのアイデアが芽生えました。
ただ、点群撮影は反射物や透明なものが苦手(赤外線で位置を取得するため)。
撮影時もダクト部がうまく撮れるか不安で、撮影の様子をずっと見てました。
結果としては、形状やうねりなどを把握できるクオリティで撮ることが出来たため、相当の効率アップになりました。



[Unity Japan Oficce メイキング第1弾 ~撮影~ 編 – Tsumiki Tech Times]

モデリングはとても地味な作業です。
点群から生成したモデル使えば楽じゃん?とお思いの方も居るかとは思うのですが、クオリティが落ちてしまい断念。
ここは最高クオリティを目指すべきだという判断で、点群をオーバーラップさせて、3Dモデルを作ることになりました。
詳しいモデリングやProjectをどう進めていったかは、積木製作の記事にすべて載っています。

ロビー天井のダクトは図面データが無いので、点群と写真を頼りにモデリングしていきます。
まずは、点群メッシュを下敷きにして写真を参照しつつ、梁・ダクト・吊りボルト・スプリンクラー菅・照明レールなど、目立つものを大まかにトレースしていきます。
細かな配線や機器は手間がかかりすぎるので作っていません。

[Unity Japan Oficce メイキング第2弾 ~モデリング~ 編 – Tsumiki Tech Times]

記事から伝わるとおり、アナログに進めているのがわかっていただけるかと。
苦労なくして良いものは作れないと、心に刻みましょう!

BIM


みんな大好きBIMの代表格Revitです。
意外と建築の生データって公開されてないんですよね。
公開されていても変換後のデータ(fbx , obj)だったり。
ちなみに、コンテンツの製作が終わったタイミングだとほとんどRevit要素は残ってないです。
というより、無いというのに等しいです。

Revitデータを作った理由は、UnityJapanOfficeのコンテンツ制作とは別にあったりします。
建物と建築の3Dデータが合わさってる建築でどちらも公開されてるって日本国内でも無いですよね?
そんなデータを使うとどんなことが起こるかというと…?
というのをこの後の公開された後のタイミングで紹介してますので、楽しみに!

アプリケーション仕様

インタラクション部分においては、操作系も含めて10つあります。
誰もが直感的に触れることを目指し、難しいUI(メニュー)にしないことを念頭に置きながらデザインしています。
例えば、クリックしたらメニューが出てくるとか。

半分くらいの機能は建築とUnityをやられている方々からヒアリングしたものだったりします。
UnityProjectを公開することを前提としているので、Script(コード)も少なく、直感的に触れることを目指してました。
触って見た人いるかな???

実際にUnityProjectを触りながら解説している動画もあります。

[UnityJapanOffice 丸裸SP – Unity Learning Materials]

リリースへ

皆様のところへまず最初に届いたのは、書き出されたコンテンツでした。
[Unity、建築・建設向けのデモコンテンツ『Unity Japan Office プロジェクト』を無償でリリース – PR Times]

実はこれが大変…。
皆さんが持っているPCのスペックに合わせて、微調整を行っていました。
PCスペックが高ければ高いほど良いグラフィックスが出せるが、フレームレート(遅延)の担保が出来なかったです。
Unity社内で何人ものPCでデモさせてもらい、公開へ落ち着きました。
初めの方は予期せぬバグとか問い合わせで来ていて、直すのにワチャワチャしていたのは内緒です。

公開後の反響

各データ公開へ向けて

全てのデータ(点群,Revit,ProjectData)を公開するタイミングは決まってました。
それは…UniteTokyo2019というUnityの年に一回ある大きなカンファレンスです。

ProjectData


結構長くUnityを触ってきただけど、AssetStoreに上げるの実は初めてだったり…。
意外と簡単に出来るので、試してみたい方は是非ググってみてください。
ここだけの話、UniteTokyo2019の展示中にバグが見つかって、再アップロード&審査していたのは内緒でお願いします(笑)
発表タイミングでは少し古いバージョンでした、申し訳ない。

書き出したコンテンツと公開されたプロジェクトデータには少しだけ違いがあることをご存知でしょうか?
シーンの設定やインタラクションに違いはないのですが、一部だけ3Dモデルとテクスチャを削っています。

特にお菓子のテクスチャは配布しているプロジェクトデータにはありません。
グレー表示になっています。

残念…。とお思いの方も居るかと青もいますが、UVの展開(ここでは、テクスチャを貼る座標)はしっかりと展開されています。
綺麗に袋菓子を展開して写真を撮って適応すれば元通りに?なるかもしれません。

現在、プロジェクトデータは “Unity 2019.2.4f1″+”HDRP 6.9.0-preview.”のバージョン固定です。
今後、バージョンアップデートの予定もありますが、まずはこれで試してみてください。


[UnityJapanOffice – Unity Asset Store]

導入の仕方で分からなければ、過去の記事で導入方法を簡単にまとめたものもありますので、参考にしてみてください。
[UnityJapanOffice AssetStore公開 – Unity for AEC]

公開後

UnityJapan

公開されたコンテンツを一足先に楽しむのもまた一興。
ということで、UnityJapanではフォトグラメトリした人物をオフィスに配置して、コントローラーで動かせるようにしました。
CGのオフィスに実写の自分が入るって奇妙な体験ですよね。

この他にもVRへ対応したり、Unityちゃんが社員を倒すゲームを作ったり…。
Unityで何かを試したい時に使える最強のフリー素材です。

もし、公開したデータを使って、実際のオフィスを使ったコンテンツを作った際には声をかけてください!
UnityJapanOfficeの次回作を作るのはあなたかも???

企業事例

公開されてBIMと点群のデータを応用したコンテンツを作って頂いております!

HoloLab – Unity Japan Office Viewer

Unity Japan Office Viewer – MicrosoftStore
HoloLens2にも対応しているので、届いた人は是非試してみてください!

HoloLab – 点群ビジュアライゼーション

ykuw design – UnityJapanOfficeVR

出展Events

UniteTokyo2019

Unite Tokyo 2019

AutodeskUniversityJapan2019

Autodesk University Japan 2019

ArchiFuture2019

Archi Future 2019

Unity道場 建築スペシャル2

Unity道場 建築スペシャル2

情報シンポ2019 | AIJISA2019

日本建築学会 情報シンポ AIJISA 2019 Tokyo

まとめ

メインページ
Unity Japan Office Project – Unity for AEC
データ配布先
点群・Revit・ビルドコンテンツ(Windows)-Unity for AEC お問い合わせ
UnityProject – Unity Assets Store

解説記事
Unity Japan Oficce メイキング第1弾 ~撮影~ 編 – Tsumiki Tech Times
Unity Japan Oficce メイキング第2弾 ~モデリング~ 編 – Tsumiki Tech Times
Unity Japan Oficce メイキング第3弾 ~ライティング~ 編 – Tsumiki Tech Times
Unity Japan Oficce メイキング第4弾 ~テクスチャ&マテリアル~ 編 – Tsumiki Tech Times
Unity Japan Oficce メイキング第5弾 ~反射~ 編 – Tsumiki Tech Times
Unity Japan Oficce メイキング第6弾 ~表現の工夫~ 編 – Tsumiki Tech Times

セッション一覧
Unite Tokyo 2019 – Unity Japan Office 制作の裏側
Unite Tokyo 2019 – 続・BIMImporter
Unity道場 建築スペシャル2 – 建築VRと史跡活用について
Unity道場 建築スペシャル2 – BIMの“I”の使い方
Unity道場 建築スペシャル2 – 点群ビジュアライゼーション
Unity道場 建築スペシャル2 – UnityJapanOffice 丸裸SP